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ドイツ

1970年代以降、外国人労働者の定住化が進んだドイツは、1998年10月の社民党(SPD)・緑の党連立政権(ゲアハルト・シュレーダー首相)の成立を機に、帰化の居住要件を緩和し、出生地主義を取り入れた国籍法に改め、2004年には初めて「統合の推進」を掲げ、「統合コース(integrationskurs)」の導入を定めた移住法を制定しました(2005年1月施行)。

 

2005年にスタートした統合コースはドイツ語(600時間)とドイツの法秩序・文化・歴史を学ぶオリエンテーション(30時間、現在は45時間)からなります。統合コースを所管するのは、新たに内務省に設置された連邦移住難民庁(BAMF)です。

 

2005年11月にキリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟(CDU/CSU)と社民党の大連立政権(アンゲラ・メルケル首相)が成立しました。2006年6月には、2005年に実施したマイクロセンサス(小規模国勢調査)の結果が公表され、外国人と外国出身のドイツ国民をあわせた「移民の背景を有する人」がドイツの総人口の19%(うち外国人は9%)を占めることが初めて明らかになりました。そして、2006年7月、メルケル首相は統合サミット(Integrationsgipfel)を主宰しました。統合サミットは連邦政府、州政府、自治体や市民団体、移民組織など統合政策の関係者を集めたもので、これ以降、2007年、2008年、2010年、2012年と開かれています。

 

これまでのサミットの成果として、第2回サミット(2007年)で採択された全国統合計画があります。全国統合計画は、連邦政府、州政府、地方自治体及び市民社会の統合への取り組みを初めて共通の基盤の上に置くことを目指したもので、公的機関及び民間団体による統合のための施策が取りまとめられました。そして、第5回サミット(2012年)では、統合に関する全国行動計画が採択されました。行動計画では、公的機関及び民間団体が共通の目的のもとそれぞれ具体的施策と期間を区切った達成目標を掲げました。